レーザー手術について

眼科では、眼の奥などに生じた病変を治療するため、レーザーを使用する事がよくあります。従来は治療が難しかった病気や、手術しなければ治せなかった病気についても、レーザーで対応できるケースも増えてきました。レーザーの特長を活かし、患部に限定して照射することもできます。これによって完治が期待できます。具体的には、網膜や虹彩などの病気にはアルゴンレーザーを主に使用しますし、後発白内障の場合はYAGレーザーで治療します。当院では、様々な病気の治療に対応するため、様々なレーザー機器を取り揃えております。
入院せずに行えます
通常のレーザー治療の場合は、入院する必要がありません。あらかじめご予約いただいた上で、外来にて対応します。治療の直後は見え方が安定しないこともありますが、片目だけの治療なので、30分程度、様子を見たうえで帰宅することができます。両眼の治療が必要なケースでは、日を改めてレーザー治療いたします。ほとんどのケースでは術当日も入浴、食事など制限なく普段通りに行えます。
緑内障レーザー
緑内障におけるレーザー治療は、房水の流れをよくする目的で行われます。いくつかの方法がありますが、とくによく知られているのがレーザー線維柱帯形成術とレーザー虹彩切開術です。どちらも痛みは少なく、比較的に副作用は現れにくいと言われています。
レーザー線維柱帯形成術
レーザー線維柱帯形成術は、侵襲性が少ないのが特徴です。点眼療法で目標とされる眼圧まで下がらなかった場合は、このレーザー治療を行うことが多いです。房水が流れる通路のシュレム管の手前にある線維柱帯にレーザーを照射することで、房水を眼の外へ排出させやすくします。これによって眼圧を適正値に近づけていきます。ただし、レーザー線維柱帯形成術はすべての方に有効というわけではありません。隅角が閉塞されている患者さま、隅角に新生血管がある患者さまは、ほかの治療法を検討します。
レーザー虹彩切開術
レーザー虹彩切開術は、角膜と水晶体の間にある虹彩にレーザーを照射します。これによって虹彩に孔が生じるので、房水の流れがよくなっていきます。隅角が閉塞している患者さまに行われることが多いです。なお、この治療法でも眼圧を下げるのが困難ということであれば、手術を検討します。
網膜レーザー
網膜レーザーは、脈絡膜に伸びた新生血管が黄斑部の真ん中にある中心窩に及んでいない場合に適用されることが多いです。具体的には、糖尿病網膜症や網膜裂孔、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症、黄斑浮腫などの患者さまについて、新生血管の有無などを確認したうえで行います。患部に向けてレーザー光を照射し、新生血管を焼き潰していきます。ただし、このレーザーには強力な作用があるので、周囲の正常な組織まで損傷を与えてしまいます。そのため、患者さまの網膜の状態をしっかりと検査したうえで行われます。なお、1回の治療で血管を閉塞させることはできますが、再発することもあります。詳細については、患者さまに直接ご説明させていただきます。