緑内障の日帰り手術を行えます

薬物療法やレーザー治療によっても眼圧がコントロールできず、症状の進行のリスクが高い場合は、外科的に緑内障手術を行います。当院では日帰りでの緑内障手術に対応しております。患者さまの負担もできるだけ少なくしております。なお、手術に関する疑問や質問がある場合は、来院された際にお気軽にお尋ねください。
緑内障手術の方法
具体的には、線維柱帯切開術や濾過手術などがあります。このうち線維柱帯切開術は、詰まっていた繊維柱帯を切開し、房水の排出路を回復させる手術です。これによって房水がうまく流れるようになるので、眼圧を降下させる効果が得られます。術後は一時的に眼内出血が見られ、いったん視力が低下しますが、ほとんどは数日で改善します。
一方、濾過手術は、繊維柱帯を切除してバイパスをつくることにより、眼圧を引き下げます。バイパスが再び塞がらないようにするため、必要な薬剤を切開創に塗布します。こうすることで治療効果の維持が期待できますが、眼圧が下がり過ぎると視力が低下してしまうこともあるため、切開創はきつめに縫合します。
このほか、最近では低侵襲緑内障手術と呼ばれる方法が開発されてきました。これは特殊な機器を用い、非常に小さな切開だけで繊維柱帯にアプローチすることができるので、患者さまの負担も比較的に少なくて済みます。なお、こうした緑内障の手術は、白内障手術と同時に行う場合もあります。
当院では低侵襲緑内障手術を主に行います。
低侵襲手術には前述の線維柱帯切開術に属するタイプのiStent inject®️W(水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術)と、濾過手術に属するタイプのプリザーフロマイクロシャント手術があります。
iStent inject®️W(水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術)
iStent inject®️W(水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術)は、チタン製の小さなドレーンを線維柱帯に刺入し房水を排出させて眼圧を下降させる手術です。白内障手術と同時に行いますがごく少量の眼内の出血がある程度で合併症も少なく安全性の高い手術です。
手術時間は白内障も含めて10分程度です。
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眼内ドレーン -
大きさのイメージ
プリザーフロマイクロシャント手術
プリザーフロマイクロシャント手術は濾過手術での線維柱帯を切除してバイパスを作る代わりに、シリコン製の細いマイクロシャントを線維柱帯部分に挿入し房水をバイパスさせ眼圧を下げる手術です。濾過手術より合併症が少なく比較的安全性の高い手術です。
手術時間は15〜20分程度です。
緑内障手術の流れ
(iStent inject®️W、水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術の場合)
手術前
- 診察を行い、手術が必要と診断されたときは、まず手術の予約をしていただきます
- 次に「術前精密検査」を受けていただきます。これは手術予定の1週間前までに行います
- 手術前週にご来院いただき、必要な目薬の点眼や飲み薬の服薬の説明をさせていただきます。その後は指示通りに点眼、服薬をしてください
手術当日
- 指示した時間にご来院ください
- 食事の制限はありませんが昼食は早めに済ませておいてください
- お化粧はしないでください
- 着替えのしやすい服でお越しください
- 車、バイク、自転車での来院はできません
手術の手順
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まず点眼麻酔をします。少ししみる程度で、痛みはほとんどありません
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白内障手術を通常通り施行します
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インジェクターを用いて眼内ドレーンを隅角に2個挿入します
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逆流性の出血などを除去し、とくに問題がないことを確認して手術は終了です
手術後の留意事項について
でそのままの状態にしてください。処方するお薬についてですが、感染症などのリスクを減らすため、処方した抗菌性点眼薬については、医師の指示通りに使用する必要があります。また、手術後に強い痛みが出ることもあるので、そのような場合の対応策として痛み止めを処方します。こちらは、痛みの程度によって使用を検討してください。目の中がゴロゴロするなど違和感については、おおむね数日で軽減されるようになります。入浴や洗顔などについても、医師の指示を守るようにしてください。
手術費用
準備中